初めて研究に参加して戴く患者様へ(2015年10月改訂)
今回参加をお願いする臨床研究は"自主臨床研究"と呼ばれるもので、実際の診療に携わる医師が立案・計画して行うものです。本研究については、臨床研究審査委員会の許可を得ています(詳細は必ず説明文書でご確認下さい)。
1.研究の詳細
紫外線暴露による萎縮老化皮膚の患者様に対して長年、小野一郎医師が独自に検討してきた増殖因子(線維芽細胞増殖因子: bFGF)を含有した試験薬を治療部位に局所麻酔後に注射する方法(注射法)に加え、小さな針に同じ薬剤を含有させて治療後に自然に溶解して効果が発現するマイクロニードル経皮的微小突起薬物送達システム型試験薬を打ち込む治療(マイクロニードル法)を駆使して治療する完全に新しい治療の効果と安全性を検討して確認することを目的とする研究です。具体的にはまず利き手の手背に対して注射法で開始し(治療費は初診料と別途頂きます)、その反応を観察しながら少しずつ顔面などの部分に拡大していきます。紫外線の障害が強い皮膚や手背、頚部では原則として注射法が勧められます。40歳代以下の紫外線による障害が比較的少なく皮膚の浅い部分に限局されている患者様に対してはマイクロニードル法による治療が勧められます。部位によっては両者を併用して治療します。詳細は説明文書で確認するか、ご不明な点を小野一郎医師にお尋ね下さい。
2.費用負担
研究は原則として全て自由診療で進めさせて頂きますが、研究の参加のための説明、経過観察のみは無償で行います。実際の治療にご負担戴く費用は治療範囲にもよりますが一回当たり3万5千円くらいです(料金表参照)。ただし、注射法とマイクロニードルによる治療を同時にする場合には最高で一回当たり7万円くらいとなります。さらにレーザー治療費用は別途負担して頂きます。
3.経過観察
治療は原則として1月に1度の外来受診をして頂き、手背、顔面、頚部を分割して治療していきます。この部位全体の治療には10回程度の治療が必要ですので治療自体にかかる費用は総額で30万円程度です。なお、本治療法の効果を確認するために一度でも治療をお受け頂きました患者様には治療を中断された後も経過観察をお願いしております。通常、治療効果は治療後徐々に進行し始め、一度の治療で1年半位迄は治療効果が進行し続けますので原則的に経過観察は治療後1、3、6ヶ月、1年、1年半です。
4.併用治療
皮膚の老化の原因はその多くが紫外線に暴露(日焼け)することですので、治療効果を最大限に発揮させるためには遮光クリーム(UVカットクリーム)による厳密な紫外線防御が必要です。また、ビタミンCの持続内服も有効と考えられますので1日当たり3gを3回に分けて内服(1回1g)して頂く事をお勧めしています。さらに皮膚が乾燥しますと老化が進んでしまうように見えますので保湿剤の外用も推奨しています。保湿剤にはクリームタイプ、ローションタイプ、スプレータイプがあります。クリームタイプは手や腕に、ローションタイプは顔面に、スプレータイプは体幹や四肢にお勧めですが、部位やお好みでお使い分け下さい。なお、完全に紫外線カットのためには、ご自宅の居間などの窓への紫外線カットフィルムの貼布をお勧めします。
顔面や四肢のいわゆる"シミ"はレーザー治療が可能です。本クリニックでは米国キャンデラ社の最新のレーザー治療器 (Gentle Max Pro)を設置していますので、自由診療で治療可能です (内容・料金は料金表参照)。
シミの増悪やレーザー治療後に生ずる炎症性色素沈着の予防・治療にはハイドロキノンの外用で効果が期待できます。使用法は一日1回就寝前に洗顔後に色素沈着が気になる部位に薄く塗りつけます。翌朝に洗顔して落として下さい。本剤の使用で異常が感じられたら直ちに使用を中止して下さい。
喫煙は本治療の効果発現を遅らせたり、逆に皮膚の老化を進行させる事が判明していますので完全に禁煙なさることをお勧めします。
上記以外のサプリメントなどの内服、コラーゲン、ヒアルロン酸含有外用剤は併用効果がほとんど期待できませんので、ご使用はお勧めしません。
5.お願い
増殖因子を用いた本治療法は小野一郎医師が独自に発明、研究を長年継続して完成させた治療法です。同様の治療を行っている他施設の技術とは全く異なる最先端の治療法である事をご理解戴き、研究のさらなる発展のために、ご協力頂きますように重ねてお願い申し上げます。ご不明な点、ご心配な点などがありましたらご遠慮なく、小野一郎医師にお尋ね下さい。なお、本研究に同意され参加された後でも、いつでも研究への参加を中止できますし、不利益を被ることもありません。
担当医師 小野一郎
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